画廊
始まりの審神者
【???】
「ようこそ、小さなお客人」
【幼い頃の審神者】
「!!?」
(人……じゃない……。
1人は耳が生えてるし、きっと見えたらいけない方のやつだ)
【???】
「まあ、そんなに警戒せずとも……。と言ったところで、無理な話か」
「急ぎのこととは言え、こちらの世界に引き込んで悪かった」
「見たところ、怪我はないようだが……。どうした。驚きすぎて声も出ないか」
【???】
「無理もない。人の身では、ここに足を踏み入れるのはおろか、見つけることさえできないからのう」
「なあに、怖がることはない。食ってしまおうというわけではない」
「この爪も牙も、ほら、このとおり。そなたを決して傷つけたりせぬ」
【幼い頃の審神者】
(人とは違う……。だけど、見たことのあるお化けとも違う気がする)
(それに、2人とも……)
俺、すごい格好悪い
【加州 清光】
「………………。
……その、怒ってる?」
【審神者】
「怒ってるって、どうして?」
【加州 清光】
「それは……俺が、活躍できなかったから」
「あんたの期待に応えられなかった……。
顔も、服だって、汚れて帰ってきて……」
【審神者】
「清光は……どんな姿でも、綺麗だよ」
【加州 清光】
「ちが……っ、俺、汚い……」
「……こんなにボロボロじゃぁ、愛されっこない……。
ぐすっ……俺、全然、綺麗じゃない……」
ただいま、入浴中でーす
【加州 清光】
「ちょー! もう、やり過ぎ!!」
「こんなに撫でられたら、俺……もう、お婿にいけない。
その時は、ご主人さまが責任取って、貰ってねー」
「なーんてね……」
「こんなに構ってくれるんなら、たまには怪我をするのもありかなー……なんちゃって」
「て、なに、本気で怒ってるの。冗談に決まってるじゃん」
「手入に入ったら、なかなか出て来られない。
出撃も遠征もお休みなんて……俺、役立たずだよなぁ……」
「ははっ……。あんたがそーやって、俺のこと必要としてくれるから、また、戻ってきたいって思える」
「わかってる。ちゃんと、傷、治して戻ってくるから。
それまで、俺のこと……待ってて」