カウントダウンSS

COUNT DOWN  DAY

「おや?
カロリア様はまだ眠ってるようですね。
まったく困った方だ」
「お前の教育がまずいんじゃないのか?」
「あの方の寝つきのよさは
人並み以上ですから。
お疑いなら今度、ハミル様が
起こしに行かれてみたらいいのでは?」
「知るか…。
俺には関わりのないことだ」
「そうですか……。
気になりませんか?
カロリア様がどんな姿で寝ているか」
「そんなに寝相が悪いのか。
王女としての品格を疑われるところだな」
(別に、寝相が悪いとは、
言ってないんですけど)
「可愛らしいですよ、カロリア様の寝姿は」
「それでもその眠りを妨げるのだろ?」
「それが、お役目ですから」
「執事とは矛盾した生きものだな」
「それなら、ハミル様も同じでは?
起こしに行きたくない本当の理由は、
あの方の眠りを守りたいから……」
「守る?
……そうだな。
騎士として姫君を守のは、俺の役割か」
「じゃあ、私が今から起こしに
行くと言ったら、
眠りを守るために私を斬りますか?」
「いや………。
このまま寝ていてもらっても、
支障をきたすからな」
「それを聞いて安心しました。
それでは私は今から、カロリア様を
起こしに行きますので」

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