【???】
『クスクスクス…………』
【???】
『可哀想だね……。長く生きられないだなんて』
『もうすぐ……死んじゃうんだ』
【美羽】
「………っ、なに?」
暗闇の中、浮かんできたのは子供の顔。
血の気のない蒼白い頬。古い着物姿。
そして、何よりも印象的なのは、朱を帯びた紅い目……。
【???】
『…………ね』
桜貝のような小さな唇が、囁く。
耳から入ってくるのではなく、直接、頭の中に響いてくる。
ズキズキと激しい頭痛に、目眩がする。
聞きたくない……聞きたくないのに!!
無駄だと分かっていながら、必死に両手で耳を塞ぐ。
【???】
『逃げて、逃げて……どこ行くの?
遠くに逃げても、同じなのに』
【???】
『……早くこっちにおいでよ
いざないの姫…………』